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私たちについて

ビジョンとミッション

アンカー 1

<NPO法人すーみんへの想い>

「やりたいことは何でもやっていい」

いきなり脱線しましたが、そう言われて育った私は、大学時代、研究だけでなく様々な活動に参加し、色んな人に出会いました。

 

出会う人で輝いていた人は「自分の夢を追いかけている人」でした。(非常に豊かな人生を生きている方たち)だと、憧れのまなざしでみていました。

「座学・実践の両面で感じた課題感」

さて、そんな私が参加した中学生向けの学習支援や教育福祉の授業はとにかく衝撃でした。「ひとり親の方の置かれているしんどい状況」を知ったからです。

 

特に学習支援で、「僕は大学なんて無理。行きたいけどあきらめている。」と言われたり、お菓子を子どもと食べていた時に「お母さんのためにお菓子を持って帰りたい」といわれたのは忘れない出来事です。「なんとかならないのだろうか。」という思いが強まりました。

 

一方、お母さん側は、「将来のことを考えると、○○という職業につきたい」という方ですら日々の生活で手一杯になっているということを、実際にお会いする中で知りました。

「「なりたい」を描けない、描いてもそれを実現できない。」

「そして、NPO法人すーみんへ」

私自身が参加する住む町、地域、社会にこういった状況が横たわっていることに課題意識を感じ、「そうだ!学習支援のあの子も、ひとり親のお母さんも豊かな人生を目指そうと思ったときに、それを支えることのできるサポーターが必要なのではないか」という考えに至り、今のミッションを掲げ「NPO法人すーみん」は生まれました。

​これからもこのミッションを体現できる団体となれるよう、精いっぱい活動していきたいと考えています。

NPO法人すーみん 理事長
​中村 友哉

取り組む課題について

ひとり親世帯は貧困率が50%程度といわれているように、貧困リスクの高い状態にあると考えられます。その背景には、一人で家事~仕事までをやらないといけない時間的な制約と、低賃金で将来性という観点で不安定な就労状態にあることの2点が挙げられると思います。

そして、そこに至るにあたって、以下の3つの要因があると思います。

①本人の人的ネットワークの弱さ:

キャリアや現状を変えようとしたときに相談できる人が限られていると共に、同じ目標に向かう仲間にも

繋がっていない方、孤高奮闘している状態にあると考えられます。

②成功体験の少なさ:

子ども時代も必ずしも勉強ができたわけではなく、さらに不登校等の経験もあると勉強以外でも「何かをやり切った」という経験が少なくなり、当事者の自信・自己肯定感を低くなってしまいます。大人時代では、「離婚」という出来事も自信を無くす要因となる方もいらっしゃいます。

③学歴・スキル・情報不足:

より良い職業への転職という観点で見たときに現時点で持つスキルや学歴の面で不利な状況に置かれていると考えられます。加えて、支援情報も含め自身の時間のなさも影響してどうしても情報不足になっていると考えられます。

​私たちは、以上の3点に対するアプローチとして、支援を行っております。

説明資料その1R.jpg

支援の段差に注目した​

私たちの支援事業

私たちは、専門学校受験勉強や高卒認定試験の勉強、その他各種資格取得に向けた勉強などを現在サポートしています。専門学校の受験勉強を応援する背景には、支援に段差があると考えられるからです。例えば准看護師になろうと​お持った時、一番お金と時間がかかりそうな専門学校での勉強期間については高等職業訓練給付金や奨学金等があり、人によって様々ですが、学費や生活費もカバーできるレベルです。しかし、専門学校受験という段階では、これらの支援もないため、生活費含めて自力で頑張る必要があります。さらに、専門学校に入れば、勉強仲間との出会いもあり、学校ですので勉強できる環境も十分整っています。しかし、受験勉強という段階は、それらの人や環境とのつながりも相対的に弱いので、受験勉強中が入学前に比べて勉強に対して不利な状態にあると考えられます。私たちは、その「受験勉強」というフェーズに着目し、ひとり親の親向けの専門学校の受験勉強サポートを行っています。

長期的な視点での

すーみんの支援の意義

少し長期的な視点で言えば、私たちの取り組みは利用者の生涯所得とその安定性の向上に寄与すると共に、貧困の連鎖の根絶にも貢献できると考えています。以下の図で示しておりますが、スーパーや飲食店、ホームヘルパー、パチンコ店での勤務等といった職業は一般的には将来的な賃金の伸びは期待できません。(灰色部)一方、看護師や保育士といった職業については、給与が経験年数や年齢によって伸びていきます(黄色部)。20代から60代という範囲で見たとき、簡便的な計算をベースにすれば、所得の差は、4000~8000万円程にもなります。私たちの支援活動はまさにこの生涯所得の向上への第一歩を支援していると考えており、この観点で、所得向上に寄与できる事業と考えています。

そして、転職によって、付加された経済的な豊かさは家族、子どもに還元さえると共に、老後の生活を支える資金にもなります。これは、次世代の負担を軽減できるといえると思います。以上の観点から、「貧困の連鎖の根絶」という観点でも意義のある取り組みと考えています。

実績について

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■ボランティア人数

2023年度17

2018年、ボランティア1人から始まったこの学習支援ボランティア活動も、順調にボランティア人数が増加してきました。2023年は大学生の卒業等に伴う減少が大きく、アクティボからのボランティアの継続的な申し込みがあるものの、前年より減少しました。ただボランティア人数は支援件数に制約がかかるようなレベルではなく、十分余裕をもって支援できる人数であると考えております。

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■支援件数

2023年度17

7年間の活動の中で、活動の認知度が高まるにつれて、支援件数も増加を継続してきました。2023年については、同年春から夏にかけて、学生の大学卒業による影響があり、ボランティア人数が減少したことで、告知活動をおさえた結果、支援件数も減少しました。利用者の支援内容は看護学校を始めとした専門学校受験対策が半分程度を占めております。 なお、ボランティアの支援余力は足元充分にある見込みで、利用者を増やしていくことが当面の課題と考えております。利用者が伸び悩んでいる背景としては①勉強の検討中の方へのタッチポイントの少なさ、②定期的な学習支援の申し込みのハードルが挙げられます。したがって、①については行政とも課題を共有しながら方法を模索すると主に、民間団体とも連携の幅を広げ、タッチポイントを増やして参りたいと考えております。②については、学習支援の体験や見学といった機会を作るなど、模索して参ります。

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■インパクト

​目標達成件数 7

2023年の目標達成者は7件と過去最大の達成件数となりました。内訳をみると看護系5人、高卒認定試験一部科目合格1名、その他1名となっています。このうちの看護系5名の中には、去年からあきらめることなくすーみんと二人三脚で勉強をしてきた方や、途中勉強ができなかった中でもあきらめずに再チャレンジをして合格された方等、 日々のコツコツと勉強に取り組んだ結果が結実した方ばかりです。

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​実質目標達成率70%

​中期的インパクト 就労収入50200万円増

受験直前まですーみんを利用した方のうち、目標達成をした方の割合を示す実質目標達成率については70%となりました。全国の看護学校や高卒認定試験の合格率などから算出するベンチマークは74%となり、若干下回るものの、同水準での目標達成率となっていると考えています。 ベンチマークについてはひとり親世帯以外の方も混ざった平均的な合格率という事ができ、それに肉薄する形ですーみんの目標達成率も位置しています。 したがって、当法人としてはすーみんの学習支援によって、ひとり親世帯の勉強のハードルを下げることに貢献していると考えております。 また、すーみん利用時点においては200万円以下となっていた利用者が、資格取得後の就労収入は60%以上が200万円を超えている状況です。看護師になって間もない状況であっても一人当たり50~200万円程度の就労収入の上昇となっており、すーみん利用の後、看護学校での勉強を経て資格取得をした方の 経済的な余裕度が確かに上がっていることを確認しました。看護系の職業については、経験年数に応じた収入増加の見込めると考えているため、すーみんの活動が中期的に利用者の就労収入の増加に寄与していると考えております。

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